Case38.国家公務員 32歳 page17
こんにちは、冷静を取戻しつつあるコマチです。
もっと後から知るよりは良かった反面、だけど今さら…という複雑な心境で、衝撃のすごかった中村氏の告白から数日。
やはりそのことばかりが毎日頭の中をぐるぐるとまわっていた。
しかし、一人で悩んでいてもない脳みそで知恵が出るわけもなく、シンクタンクやグーグル先生に駆け込み相談。
信頼する友人たちは、だいたい、「もっと詳しく聞くべし」「覚悟はできるのか」「コマチが幸せになるなら、コマチがその点も含めて中村氏をすきであるなら、それも選択肢」というような、現実的で客観的なご意見をくれた。
グーグル先生も賛否両論だ。結局はその人が最後に幸せだったなぁ、と思える人生になればよいと思う、それは極論ではあるが、そんな風にまで考え及んだ。
法律的な事も本屋でもちら見してみたり、こんな機会がないと読むこともなかったであろう、客観的には成長する機としては良い機会だった。
その間も、中村氏は気遣いながらメッセージをくれていた。
彼も彼で悩んでいるのだろう、電話は数日鳴らなかった。
つづく
Case38.国家公務員 32歳 page16
こんにちは、思考停止のコマチです。
先に話すべきことを話してしてほしいとお願いしたところ、「こどもがいる」と言う中村氏。
もうこの言葉を聞いた瞬間、思考回路はショート寸前ではなく、完全にショートした筆者。
筆者も、最初からしっかり聞いておくべきだったが、どこで思い込んだかこどもはいないものと思っていたので、物凄いパンチを食らった。
正確には、現在お手元にはいらっしゃらず、先般の通り、前回の結婚生活は一年に満たない程度であったため、お子様はその年齢であるのと、現在諸々の費用と面会のやり取りはないとのこと。詳細は割愛。
しかし、もう何も考えれなくなり、電話口で固まること数分。
中村氏は、言い訳というと聞こえが悪いが、説明してくれるのには、「俺も言うべきか、いつ言うか、相当悩んでた。でも真剣に考えてるからこそ伝えた。どんな判断されても覚悟はしてる。最初から言うべきだったと思ってる。でも今まで婚活してて出会って最初に伝えるとみんなそこで離れていってしまって、全然話を聞いてくれないから。まずは俺自身という人間を知ってほしくて…ほんとにごめん、今になって。」
とにかく冷静にと自分に言い聞かせた。
つづく
Case38.国家公務員 32歳 page15
こんにちは、蓋をあけてびっくりしたコマチです。
中村氏に、「何か言っておくことがあったら今言っといて」と伝えた筆者。
両親に挨拶に来る前に、包み隠さずできるだけ色々と知っておきたい。
内容によっては、その話もないものとなることもあるだろう。
中村氏「んーーーーー…いや、言っておこう!」
筆者「なに?借金があるとか?」
中村氏「借金はない、車のローンはある(買ったばかりであることは聞いていた)」「あのね、実は…………こどもがいるんだ」
は??
当然耳を疑った。
つづく
Case38.国家公務員 32歳 page14
こんにちは、日々精神が強くなっている気がするコマチです。
我が家へご挨拶へ来たいという中村氏。
そんな話のあった翌日、筆者は母と買い物へ。
実は我が家では、両親へ交際相手をご紹介したことは未だかつてない。
そんな話もなんとなくしたことがないので、少し緊張しつつ出先で母に、「実は付き合ってる人がいて、その人がうちへ挨拶へ来たいと言ってるんだよね。ただ彼の仕事の都合上、日程を確約できないんだけど、来月頭くらいに来てもらおうと思ってて」と伝えた。
母「それはよかったなー!おうち片づけなくちゃ♪」と上機嫌になった。
「何してるひとなん~♪」というので、自衛官であること、長男であること、転勤が多いこと、お伝えした。
長男であるところには見るからにガッカリしていたが、この年になるとそこは優先度の低い所であることは彼女も彼女なりに分かっているのだろう、それ以上特に何も言わなかった。
父には日が近づいてから言う事にした。予定が変わって気を揉まれてもあれなので。
その夜も中村氏と電話でお喋りしたのだが、母には伝達済であることを伝えた。
わかったよ、という感じで、「緊張するわ~」と言う中村氏、もちろんそうだろう。
筆者でさえ緊張しているのだから。
そして筆者は中村氏に質問した。
「いま言っておくことない?あとで、『実は…』とか『蓋を開けてびっくり!』あったら嫌だよ。」と。
つづく
Case38.国家公務員 32歳 page13
こんにちは、コマチで。
ある晩、中村氏からお電話頂き、いつものようにお喋りしていた。
かなり結婚に前向きな中村氏、筆者もできれば具体的な話をしたいと思っていたので、結婚に関する色々な話をふってくださって有難い。
中村氏は、「次の異動は恐らく〇月だと思う。もしもいけるなら一緒に来てほしい。」という。
だいぶ気が早いが、馬が合うとはまさにこの人、という気がするのは、筆者だけではないようだと思った。
一緒に行くかどうかはまだわからない話だが、そうなるとどういうことだ、結婚なのか。
結婚は早いにしても、前提の同棲という感じはどうかな、という話に。
すると中村氏は、「そう(同棲)するかどうかは別にして、コマチの御両親にご挨拶に行っておきたいんだけど、〇月〇日、どうかな?」と言う。
早速だ。やはりある意味で行動力と決断力のある人だと感心する。
とりあえず、交際相手を紹介するという程度でご挨拶に来て頂くことにした。それはその電話から約3週間後の日程だ。
丁度その電話の翌日、筆者は母と買い物に行く予定だったので、母には伝えておこうと思った。
つづく
Case38.国家公務員 32歳 page12
こんにちは、コマチです。
複数の婚活サイトや相談所に登録して、可能性をできる限り広げて会ってきた。
相談所が一番費用がかかるが、良いカウンセラーに当たれば色々と知識も増えるし、勉強になる、またこんな機会もなければ宣材写真も撮ることはなかったし、それを色々な場面で使えるというメリットも沢山あった。
まず何よりは、各会員の身元がはっきりしていることだろう。
一方で、あまり効率的ではないなと思うデメリットもある。
申し込みをしても約10%のOKのお返事であるのと、お会いするまで連絡が取れない、お会いするのも一回で一人(これは他の場合でも有りうるが)、カウンセラーを介さなくてはいけない(これも人それぞれ向き不向き)…等。
今回中村氏とは相談所ではなく一般のサイトで出会ったのだが、身元保証という点からはやはり相談所の制度程しっかりした後ろ盾がないので、筆者はほんの少し不安だったり、これから話さなくちゃいけないな、という思いがある。
自衛官というご職業は間違いなさそうであるということは、実はたまたま筆者の人脈を駆使して保証された。
あとは会話していても、事実に基づいていそうである。よっぽどの詐欺師ではなければ、本当のことをお話しになっていると思っている。
その後中村氏から、お時間のある時に、よくお電話くださり、よく喋る者同士であるがゆえか、女子の長電話ばりに1時間や2時間喋る、というのが日課となった。
ある日の夜も、電話をくれて話始めた。
つづく
Case38.国家公務員 32歳 page11
こんにちは、蛍好きになったコマチです。
蛍鑑賞エリアで思う存分蛍を見ることが出来て満足した我々。
そこで色々と話をしたのだが、中村氏は学生時代に、アウトドアなどを子供たちと実施するアルバイトをなさっていたとか。
なので、アウトドアの遊びは一通りできるということで、アウトドア派の筆者としては大変頼もしく思った。
駐車場までの帰り、歩き疲れて休みたかったのも、嫌な顔ひとつせずに付き合ってくれる中村氏。
帰路は家まで送って下さるということで、お言葉に甘えた。
その間も、お互いの大学時代やお仕事の話、結婚の話を明るいトーンで話していたのを覚えている。
中村氏のお仕事の予定が不透明であるため、この日はこれでお別れとなった。
中村氏の岐路の途中も電話を下さって、お互い別れを惜しんでいた。
いいコンビなのではないかと思ってきた。
つづく